ぼうさいDAY

「ぼうさいDAY」は、楽しく防災を学ぶ時間です。

学校でも家庭でもできない体験を通して、いろいろなことを実際に見て、やってみて、考えながら学びます。

「家具固定って大事だって聞くけど、どうして?」「非常持ち出し品を用意しろとは言われるけど、その荷物をもって本当に走って逃げられるの?」「蛍光灯って割れるとどうなるの?」「飛散防止シートって自分でも貼り付けられるの?」などなど、知識として知っているけれど、実際それがどういうことなのか?ということについて、体験を通して学ぶ時間を設けています。

子どもたちに「なぜそれが必要か?」「結果、どうなったか?」「自分たちでもできそう!」を考えてもらうことを目指しています。

活動報告

2023年度

高学年

EV車を使ったクッキング体験-高学年ver-

これまで、災害時に不足するようなものを補うような訓練や活動を行ってきました。
例えば、避難所で使うスリッパを新聞紙で作ってみたり、食器類を作ってみたり、、、児童館でも身近なものを活用した様々な活動に取り組んできました。
しかし、「普段使っているものを災害時にも同じように使う」という視点もまた大事なのではないでしょうか。特にそれは、食の面でも重要なことです。たとえば、お湯を沸かすことができれば、あったかいお茶やコーヒー、コーンスープ、抹茶ラテを飲んでホッとできるかもしれない・・・電子レンジがあれば冷凍ピザをチンできるかもしれない・・・ホットプレートがあれば、目玉焼きとウインナーを焼いて、いつもの朝食ができるかもしれない・・・そういうときに必要なものは、”電気”です。
災害時でも、電気を確保することができれば、こうした”いつも通り”を準備することもできるかもしれません。
そこで、今年度は、黒潮町でも配備が進んでいる”EV車”を使って、防災と電気について考えました。(今回は、四国電力さんにご協力いただき、香川県から持ってきていただきました)
子どもたちには、「災害時にもあったかいものを食べたいよね」、という導入から問いかけ、実際に簡単なクッキングを行いました。そして、そうした家電の電力はどこからつながっているのかを問いかけました。コードをたどっていくと、壁のコンセントにはつながっていません。よくよく探してみると、なんと外に置かれた車につながっていました!
EV車で電気を運べば、どこでも調理が可能なことを学びました。電力の容量を知るために、子供たちが一番イメージしやすい例えを考えたところ、任天度switchを8000回充電できるということがわかり、子供たちはびっくりしていました。

このEV車は、災害時の医療現場、福祉現場でも使用されることが計画されています。また、せっかくの機会なので、高知県地球温暖化防止活動推進センター うみのこどもさんにもご協力いただきました。
実は、黒潮町は、2050年までに二酸化炭素実質排出ゼロを目指すため、「黒潮町ゼロカーボンシティ宣言」を令和3年6月1日に表明しています。その一環に、EV車があります。脱炭素社会を実現するために、一人ひとりが地球温暖化のことを考える必要があり、生きるために必要なエネルギーとどのように共存していくか、どのようなエネルギーを選択していくとよいのか、について「防災・環境・災害・エネルギー」の深い関係を主軸に、専門員の方から子どもたちに講和をしていただきました。環境学習は、学校でもたくさん取り組まれていますが、児童館では、実際にEV車からの電力供給を体験したことで、今年度も、児童館ならではの、知識と体験を結び合わせるユニークな活動ができたのではないでしょうか。

2023年度

低学年

EV車を使ったクッキング体験-低学年ver-

「普段使っているものを災害時にも同じように使う」という視点を取り入れたぼうさいDAYを企画しました。特にそれは、食の面でも重要です。
災害時に、電気を確保することができれば「普段と同じ食事」が準備できる可能性は高まります。
そこで黒潮町でも配備が進んでいる”EV車”を使って、防災と電気について考えました。
子どもたちには、「災害時にもあったかいものを食べたいよね」、という導入から問いかけ、ホットプレートやオーブントースターなどを使って、簡単なクッキングを実施しました。
キャンプで使うようなメスティン一式も準備し、白米を炊き、おにぎりを作りました。メスティンは、ダイソーで購入したものですが、それでも十分、短時間で芯まで火が通ったお米を炊くことができました。
さらに今回は、お隣の地区の区長さんも見学に来られ、災害時の電力共有や、メスティンの有用性を共有できました。
高学年と同様に、高知県地球温暖化防止活動推進センター・うみのこどもさんにご協力いただき、合わせて環境学習も実施しました。低学年でも理解できるように準備いただき、電力共有をはじめとするエネルギーの循環について理解するきっかけづくりの時間にもなりました。

2022年度

高学年

簡易ベッド組み立て体験・ドライシャンプー体験

児童館での活動の特徴は、地域で議論されているナウな情報を、体験学習として取り入れながら、議論を一歩進めることができる点にあります。そこで、災害時、避難した先でどう過ごすか?という、地域で議論されている課題について、「簡易ベッド組み立て体験」と、「ドライシャンプー体験」を通して考えるプログラムを実施しました。
子ども達が活動の前に、地域のお家を訪問して、「一緒に防災の活動しよう!」と呼び掛けてくれた結果、10名以上の方が参加してくださいました!
「簡易ベッド組み立て体験」では、黒潮町の各地区でで配備が進んでいる5種類のベッドをお借りして、みんなで組み立てるところから体験しました。そして、実際に寝ころびながら、寝心地や固さ、体への負担感、そして、一番大事な、これで数日の睡眠が可能か?という部分について検討し合いました。衛生面から考えても、避難先でのベッドの導入は必要です。しかし、足腰が弱い方にとって、こうした簡易ベッドは、実はひざにとても負担がかかる高さであることがわかりました。いくつも種類を用意したことで、どれなら大丈夫そうか?組み合わせることもできそうか?など、深い議論が行われました。

「ドライシャンプー」も、災害時の生活にとって大切です。お風呂に満足に入れない状況で、自分の清潔を保つことは、心身の健康にも影響すると考えられます。そこで、市販の「ドライシャンプー」を7種類用意しました。その過程で初めて知りましたが、スプレータイプだけではなく、シートタイプ、手袋タイプ、液体タイプなど、いろいろな種類がありました。各種類の使用感を議論できるように用紙して、実際にみんなで使ってみました。(ネット通販サイトで検索すれば、本当にたくさん出てきました!)香りの好みもあれば、使いやすさも重要ですし、そもそもサッパリ感の程度を知りたいところです。

会場がものすごい”いい香り”で包まれながら、和気あいあいと体験が進みました。実は、”防災用”と書かれていなくても、ヘアケアブランド(薬局でもよく見るような)が、夏場とかの爽快感のためにドライシャンプーを発売していたりします。目的は同じなので、”防災用”と書かれていなくても、自分のお好みで選ぶこともできそうです。

こうした体験をふまえて、ポスターなどにまとめ作業を行い、町内の皆さんに結果をお伝えして、お役に立てていただくことも検討しています。「知っているけど、実際は分からない」を、児童館で体験してみることで、子ども達の防災力がアップし、それが家庭につながっていくと期待しています。

2022年度

低学年

防災絵本・防災グッズ作成

「うみと生きる」という絵本の読み聞かせを行いました。海のそばで自然と共生するという意味を考えながら防災にも取り組んでほしいと思っています。
そして、避難所で必要になるかもしれないものを考えながら、身近なものでその必要なものを作ってみる体験を行いました。新聞紙で、スリッパを作りました。簡単にできるので、家でも作ってくれることを期待しています。スリッパをはいて歩いてみて、使用感も話し合いました。
また、防災食のローリングストックも兼ねて、缶詰の試食会も行い、充実したぼうさいDAYになりました。

2021年度

高学年

インソール体験実験

避難する道中で、あるいは状況が落ち着いた後、二時避難場所へさらに移動する際に、道路に危険なものが落ちている可能性があります。
ガラスの破片や釘もあるかもしれません。
そうした中、移動しなければならない”いざというとき”のために、業務用インソールを用意しておくことも検討してもいいかもしれません。

普通のインソールでは、危険なものは、靴を貫いて、足裏をケガさせてしまいますが、業務用の丈夫なインソールが1枚あるだけで、危険なものがそこで止まり「なにかが当たっている気はするけど、怪我はしないし、痛くもない」という効果が発揮されます。

今年度、すでに町内には、津波避難タワーに設置されている非常用BOXの中に準備している地区があると聞いたことがきっかけで、児童館では実際に体験してみよう!という、大人と子どものコラボレーションが実現しました。

実際にその効果について体験したのは、町内では(もしかしたら!)児童館の子ども達が初めてかもしれません!!

今回は、釘を3本打ち付けた板を用意し、インソールを入れていないスリッパと、インソールを入れたスリッパを押し付けてみて、どうなるか、を体験してみました。
安全性を考慮して、子ども達には実際にスリッパをはいてもらう(釘の上に乗ってもらう)ことはせず、棒で押してもらいましたが、インソールの効果についてはしっかり理解してくれました。

ちなみに、事前に大人が十分な配慮のもとで体験してみましたが、同じ釘3本の上に片足で乗っても、釘はインソールを貫通することはありませんでした。
※もしも同じご体験をされる場合には、くれぐれも安全にご注意いただき、突然力を加えたり、あまりにも重くするなどはお控えください。

こうした”ほかではなかなかできない体験”と”地域とのコラボ”を通じて、児童館での学びを充実させていくことを引き続き目標にしていきます。

2021年度

低学年

絵本・防災クイズⅢ・非常持ち出し品ゲーム

「防災を楽しく学ぶ」ことを目的にした「ぼうさいDAY」では、毎年いろいろなプログラムを考案しています。

今年は、絵本「地震がおきたら」・防災クイズ・非常持ちだし品グッズゲームの3つを行いました。

非常持ち出し品ゲームでは特に盛り上がりました。非常時に必要そうなもの、そうでなさそうなもの、もしかして必要かも?そんなグッズをたくさん用意し、リュックの中に必要だと思うものを選んで入れてみます。
そして実際にそのリュックを持って、走って逃げることができるだろうか?を体験してみるゲームです。

水がたくさん必要とは聞くけれど、やはり3リットルの重さを持って走るのは大変です。
なんでもかんでも必要そうに思えますが、やはり厳選することも大事です。

このゲームは2回目の実施ですが、前回よりもグッズの量を増やしました。
そのため、選ぶ基準も大切です。おもちゃや折り紙は、いらないようにも思いますが、
「誕生日を祝うことは大事」という子どもの言葉がありました。
確かに、災害時のようなすべてが混乱して大変な時こそ、そうしたお祝いの楽しい時間が癒しになるのかもしれません。

こうしたことを、体験を通して考えてもらい、「なぜそれを選んだのか?」という自分の意見を発表する力も育成します。
また「こんな重い物を持って走ることはできない!」という気づきから、津波避難タワーへの非常品BOX設置への提言につなげたりするなど、地域とのコラボのベースにある活動でもあります。

2020年度

低学年

防災クイズⅡ

低学年では、まずは、身近な地域を題材にして、危険や安全を考えることができるようになることを目指しています。そこで、3択のクイズを出題し、どの回答が最もふさわしいかを、班に分かれた子ども達に考えてもらいました。もちろん、一つの推奨される答えはありますが、みんなで相談して、他の人の意見を尊重して聞く、という態度も育成することを目指しました。2017年度に行ったこのクイズを更新し、より黒潮町の現実に合った内容で考えることができました。

2020年度

高学年

家具固定って本当に必要なの?体験

「家具固定が必要だ」ということはいろいろなところで学びます。家具固定のためのグッズも、安価で手に入るようにもなりました。蛍光灯をLEDにすることも推奨されています。しかし、耐震ジェルマットはどれくらい効果があるのか?蛍光灯や電球が割れると危険なのか?ということを実際に体験してみました。耐震ジェルマットを貼ったパソコンと、貼っていないパソコンを置いた机を、思いっきり揺らしてみて動き方を比較したり、蛍光灯を実際の高さから落としてみて割れたらどれくらい危ないか、を考えました(安全には十分な配慮を行いました)。学んで知識として知っていることを、実際に体験して、見て学ぶことで、きっと記憶にも残ったことと思います。こうした体験ができるのは児童館の特徴と考えています。

2019年度

低学年

暗闇迷路避難ゲーム

もし真っ暗闇の中を避難しなければならないとしたら…?災害はいつ起こるかわかりません。真っ暗な中を歩くことの不自由さや、見えないからこそ、避難経路が片付いていることが重要であることを実体験してもらうゲームを行いました。高学年の暗闇迷路よりも少しハードルを下げて行いましたが、みんなわいわいドキドキしながら体験してくれました。

2019年度

高学年

暗闇迷路避難ゲーム

もし真っ暗闇の中を避難しなければならないとしたら…?災害はいつ起こるかわかりません。真っ暗な中を歩くことの不自由さや、見えないからこそ、避難経路が片付いていることが重要であることを実体験してもらうゲームを行いました。館内を暗くして、さらに目隠しもして、段ボールで作ったマキビシや障害物をよけながら、出口を目指す暗闇迷路でした。家具固定や普段からの片づけが重要だ、ということを考えてもらえたのではないかと思います。

2018年度

低学年

牛乳パックで食器作り

避難所で必要になるかもしれないものを考えながら、身近なものでその必要なものを作ってみる体験を行いました。牛乳パックで、紙皿とスプーンを作りました。簡単にできるので、子ども達はとても立派な食器を完成させることができました。その食器で、炊き出しカレーをみんなで食べました。

2018年度

高学年

空き缶でランタン作り

身近にあるものを使って、被災時に必要になりそうなものを作りました。明かりが灯るだけでもホッとします。子ども達には、完成版だけを見せて、その作り方(空き缶の切り方)は自分たちで考えてもらいながらの体験でしたが、想像力をしっかり働かせながら、無事に、空き缶でランタンが完成しました。最後にはみんなで点灯式を行いました。

2017年度

低学年

防災クイズ・非常持ち出し品グッズゲーム

低学年では、まずは、身近な地域を題材にして、危険や安全を考えることができるようになることを目指しています。そこで、3択のクイズを出題し、どの回答が最もふさわしいかを、班に分かれた子ども達に考えてもらいました。もちろん、一つの推奨される答えはありますが、みんなで相談して、他の人の意見を尊重して聞く、という態度も育成することを目指しました。

もう一つ、楽しいゲームを行いました。非常持ち出し品にふさわしい物を選んでもらうゲームです。30秒の制限の中で、たくさんのグッズから、避難に必要と思われるものを選んでもらいます。リュックに詰め込まれたそれらのグッズは、どれも必要に思えますが、それを持って、全力疾走(避難)することができるでしょうか?本当に必要なものを、自分が持てる重さ考えるゲームでした。

2017年度

高学年

飛散防止シート貼り付け体験

児童館内の避難路の安全確保のために、廊下に面している窓ガラスに、飛散防止シートを貼り付けました。子ども達には難しい作業かと思いましたが、コツをつかむと、とてもきれいに、手早くシートを貼り付けてくれました。防災スキルが一つレベルアップしました!もしお家で、飛散防止シートを貼るようなことがあったら、きっと活躍してくれるでしょう。