わたちたちについて

大方児童館は、高知県黒潮町に立地しています。
大方児童館は、高知県黒潮町に立地しています。

黒潮町は、2015年から全町をあげて、
「犠牲者ゼロ」をスローガンに、地区防災計画事業に力を注いでいます。

そのきっかけとなったのは、東日本大震災を受けて2012年に公表された「南海トラフ巨大地震の被害想定」、通称“新想定”です。
この想定では、黒潮町は全国で一番高い34.4メートルもの高さ(全国一!)の津波が来襲し、最大で2,300人もの犠牲者が出るとされました。
その衝撃的な数字に、町は「絶望」しました。しかしそこから立ち上がり、いかにして津波による犠牲者をゼロにするかについて考え、防災対策事業を強化・改革してきました。

このような地域の中に位置する大方児童館でも、発災時に、どのように避難誘導を行うか、普段からどのような防災教育を行っておくべきか、そして、そうした方針をどのように学校や地域と共有しておくか、という防災教育活動が求められていました。

そこで、「児童館防災プロジェクト」を2016年度から本格的に始動させ、毎年継続して行ってきました。

このプロジェクトでは大きく3つのプログラムを展開しています。
ぼうさいDAY
考える避難訓練
地域との連携

「ぼうさいDAY」

「ぼうさいDAY」は、楽しく防災を学ぶ時間です。
学校でも家庭でもできない体験を通して、いろいろなことを実際に見て、やってみて、考えながら学びます。
「家具固定って大事だって聞くけど、どうして?」「非常持ち出し品を用意しろとは言われるけど、その荷物をもって本当に走って逃げられるの?」「蛍光灯って割れるとどうなるの?」「飛散防止シートって自分でも貼り付けられるの?」などなど、知識として知っているけれど、実際それがどういうことなのか?ということについて、体験を通して学ぶ時間を設けています。
子どもたちに「なぜそれが必要か?」を考えてもらうことを目指しています。

「考える避難訓練」

「考える避難訓練」では、地域の大人も巻き込みながら実施しています。
児童館の避難訓練の特徴は、スタート地点が地域の中にあることです。そこから高台にある学校や、津波避難タワーなど、状況に応じて適切な避難場所に走っていけるように、パターンを変えた訓練を展開しています。

そして発災時には、避難道にはいろいろな障害があることが想定されます。想定していた道が閉ざされてしまっていたりするかもしれません。どうやって回避して避難場所を目指すべきか?
そうした訓練を普段から行っておくことで、臨機応変な態度や思考を育成することを目指しています。

「地域との連携」

そして、児童館としての役割をさらに充実させるためにも、防災を通じた「地域との連携」は欠かせません。
児童館のイベントに地域・役場・町民館・保護者・学校の大人たちにも参加してもらうことで、子どもの目線で一緒に考えられるため、防災を地域全体の目標として捉えることができます。

そのための普段からの積極的な情報共有を行っています。

大方児童館では、児童館で行われるこうしたプログラムを、地域防災の初めのステップと位置付けています。
「児童館で学んだことを家庭に持ち帰り、近い人に広めていき、それがひいては地域の防災力をUPさせる!」ことを目標にしています。

これまで、学校でも家庭でもできない体験を重視した様々な活動プログラムを展開してきました。
大方児童館は、子どもと大人が協働する防災の拠点となりたいと思っています。
関係機関と連携しながら、児童館だからこそできる防災教育をこれからも目指していきます。